先日大阪府庁別館へ行きました
令和4年6月に児童福祉法の一部を改正する法律が成立し、令和6年4月1日より施行されるにあたり
準備期間にどのような取り組みを進めていくか、支部6名と行政の担当者5名での会議でした
改正の趣旨は「児童虐待と子育てに困難を抱える世帯の顕在化に対する体制強化」
大阪府内でも苛烈な虐待事案が相次ぎ、こども自身からのSOSをどのように拾い上げるかが当日の議題でした
2~3歳のこどもからSOS? 思春期のこどもから本音を引き出す? 被虐待による精神疾患状態での意思表明?
隠そうとする親と切り離して聴取するには? 困難な状態に陥っているが、表面化させたくない親のエゴを汲み取れるか?
こどもも親もSOSのサインは必ず出しています 苛烈な事案に至る前に拾い上げるには
「気づき」
を社会という日常の中で当事者のみならず社会を構成する全ての人の相互扶助によってSOSを早期に見つける事が必要です
こんな言葉を聞きました
「隣で健やかに笑うあの子が、見えないところで あなたより泣いている事を、あなたは知らない」
人の心は見えないです その見えない人の心の内を推察し、自身が今からしたい事が正解なのか不正解なのかを怖れず
行動する信念を持つ事で、いづれにしてもその想いはあらゆる事に波及し、相互扶助に繋がります
家族や社会の繋がりを大きな観点で俯瞰した時 その構成には太い繋がりから、細い繋がりまで
無数の糸のように絡み合い その糸の向こう側がこの世でなくとも その糸がどんな色でどれだけ細くとも
その糸を自らたぐる努力が 小さな「気づき」を生み出すんじゃないかと
自らが「助けて」と声を上げる事が
誰かを「助ける」事にもなります
僕も息子とめぐり逢い救われました
自治体にはこども家庭センターや児童相談所があります 年々増加する虐待や貧困を受け
児童福祉司、児童心理司を全国で2000人弱拡充する事も決まりました
こどものSOSだけでなく、親のSOSからも虐待に至らぬようにする取り組みもあります
そういった行政の取り組みを活用しながら国のビジョンやガイドラインに沿った多様なスキームから学び
寛容な社会を一人一人少しづつ意識すれば世の中の虐待や悲惨な事案は少しでも減るだろうと考えます
子に対する虐待 親に対する虐待 負の連鎖を断ち切るには社会的養護が必要です
大阪府は「こども総合ビジョン」というガイドラインに沿い「こどもの権利ノート」でこどもの権利を示しています
こどもに寄り添う気持ちを一人一人が持つ事で家庭内に留まらず「社会からの虐待」を失くす事に繋がってほしいです
家族や親や兄弟姉妹、職場の仲間、友人、身近な人達に自らの気持ちや感謝の心を伝える事が
巡り巡って小さな「気づき」を伝播できるんだと信じています
最大限の感謝の気持ちを持って、伝えたい事を伝える ただそれだけの事でも勇気がいります
僕はこう考えます
どんなに苦しくても周りへの感謝の気持ちを忘れず 自らの辛酸や羞恥心と向き合い大切な相手に伝える事で
どんな苦難も乗り越える力と 本当に大切な信念を その相手から生涯教わるのだと
昨今の混沌とした世界情勢と国内の貧困虐待は遠いようで密接に関わり
真綿で絞められてきた世の中は急速に変わろうとしているように感じます
呼応するようにこの10年で社会的養護の在り方も急速に変化してきました
社会的養護の転換点なのかもしれません
小さな気づきと小さな勇気を行動に移す為にも 内面の小さな変化の積み重ねができるよう
過ごして生きたいです
長くなりました 製造部 なおかわ
【虐待とは】
「繰り返しあるいは習慣的に、暴力をふるったり、冷酷冷淡な接し方をする事である。
具体的な内容は様々で、肉体的暴力をふるう、言葉による暴力をふるう、嫌がらせをする、無視をする
等の行為を繰り返し行うことをいう」
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